Claude Agent SDKとは?
Claude Agent SDKを使うと、PythonやTypeScriptのプログラムで、Claude Codeを動かしているのと同じエージェントのループ、ツール、コンテキスト管理を利用できます。以前の名称はClaude Code SDKです。ライブラリは同梱のClaude Codeバイナリを起動してメッセージをやり取りするため、その上に作ったエージェントは最初からファイルの読み書きと編集、シェルコマンドの実行、ウェブ検索ができます。
query()は単発のタスクを非同期ストリームとして実行します。ClaudeSDKClientは双方向のセッションを保ち、普通のPython関数として書いてプロセス内MCPサーバーとして提供する独自ツールと、エージェントのライフサイクルの各時点で自分のコードを実行するフックを追加できます。サブエージェント、再開や分岐ができるセッション、権限モード、skills、plugins、.claude/フォルダーのプロジェクトメモリーはClaude Codeからそのまま引き継がれます。
Pythonパッケージの要件はPython 3.10以降です。バージョン0.2.178は2026年11月4日に公開され、Claude Code 2.1.318が同梱されています。TypeScriptパッケージは@anthropic-ai/claude-agent-sdkとして公開されています。
Claude Agent SDKは使う価値があるか?
Agent SDKの価値は、難しい部分がすでに書かれていることです。ファイル編集、シェルへのアクセス、コンテキストの圧縮、サブエージェント、権限の確認は、Anthropicが数日おきに更新しているClaude Codeから来ています。そのため10行のquery()呼び出しだけで、実際のリポジトリのバグを直せるエージェントができます。OpenAI Agents SDKやLangGraphのような競合フレームワークは組み立てるための部品を渡しますが、こちらは制約をかけるべき完成品の実行環境を渡します。
この逆転がセキュリティモデルを決めます。初期状態でClaudeは、BashやWriteを含むClaude Codeのツール一式を持っています。allowed_toolsは列挙したツールを自動承認するだけで、それ以外を取り除くわけではなく、残りは権限モードとcan_use_toolコールバックの判断に回ります。ツールを取り除くにはdisallowed_toolsが必要です。サービスにSDKを組み込むなら、quickstartより先に権限のガイドを読み、入力が信頼できない場合はプロセスをコンテナで動かすべきです。
オープンソースという表示には注釈が要ります。PythonのラッパーはMITライセンスですが、実際の処理は同梱のClaude Codeバイナリが行い、ドキュメントにはSDKの利用にAnthropicのCommercial Termsが適用されると書かれています。TypeScriptのリポジトリは著作権すべて保有と表示されています。エージェントのループはフォークできず、設定することしかできません。
リリースの頻度はClaude Codeに合わせています。2026年9月15日から11月4日までにPython版は25回リリースされ、0.2.153から0.2.178になりましたが、まだ1.0未満です。リポジトリのスターは約8,440、未解決のissueとプルリクエストは616件です。ドキュメントは、承認なしにサードパーティ製品がclaude.aiのログインやプランの利用枠を提供することを禁じているため、SDKで作った製品はAPIキーで課金します。開発者自身のマシンでログインして使う分は、その人のClaudeプランを消費します。2026年6月15日開始と発表されたSDK用の月額クレジットは、当日に一時停止されました。
真価を発揮する場面
開発者100人の会社のプラットフォームエンジニア
失敗したCIジョブを仕分けてパッチを提案する社内ボットを動かす
CIランナーからquery()を呼び、cwdをチェックアウト先に、リポジトリ外へのアクセスはdisallowed_toolsで禁じ、ネットワークコマンドを止めるPreToolUseフックを付けます。利用料は独自の支出上限を持つConsoleのAPIキーに請求されます。
文書管理製品にエージェントを加えるスタートアップ
顧客がエージェントにファイルの整理と要約を頼めるようにする
製品自身の操作を@toolデコレーターとcreate_sdk_mcp_serverでツールとして公開し、プロセス内で動かします。顧客ごとのセッションは専用のコンテナで動かし、claude.aiのログインは許されないので課金はAPIキー経由です。
自分のノートPCで雑務を自動化する個人開発者
エージェントのループを書かずに繰り返しのリファクタリングをスクリプト化する
ClaudeSDKClientとacceptEditsモードを使う短いPythonスクリプトで編集できます。個人のClaudeプランでログインしていれば、別の請求ではなくそのプランの利用枠を消費します。
導入前に確認すること
- 導入
- Python 3.10以上でpip install claude-agent-sdk(またはnpm install @anthropic-ai/claude-agent-sdk)を実行し、APIキーを設定すれば、quickstartのバグ修正エージェントが数分で動きます。Claude Codeを別途インストールする必要はありません。
- 連携
- MCPサーバー、プロセス内の独自ツール、フック、サブエージェント、.claude/フォルダーのskillsとplugins。モデルへのアクセスにはClaude API、Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry。
- データとプライバシー
- 自プロセスの権限でローカルに動き、アカウントのAPIまたはプランの条件のもとでプロンプトとファイルの内容をClaudeに送ります。初期のツール一式は、プロセスが届く場所ならどこでも読み書きと実行ができます。
- 大規模利用時のコスト
- SDKは無料で、費用はAPI料金でのClaudeのトークン代です。ツール呼び出しの多いエージェントのループはタスクあたりのトークンを何倍にもします。Max、Ultra、Teamプランには、連携したConsoleキーで使える毎月のAPIクレジットが含まれます。
- 制限
- Claudeモデルのみ。1.0未満のAPIで頻繁にリリース。ブランド規定により製品をClaude Codeと呼ぶことは禁止。エージェントのループ自体は変更できません。
良い点
- Claude Codeのファイル、シェル、ウェブのツールを最初から利用可能
- 独自ツールを別プロセスなしのプロセス内MCPサーバーとして提供
- フック、サブエージェント、セッション、pluginsを引き継ぐ
- API、Bedrock、Google Cloud、Foundryで同じエンジン
- Claude Codeに合わせた頻繁なリリース
気になる点
- 中核のバイナリは非公開でAnthropicのCommercial Termsが適用