Phonon-2とは?
Phonon-2は、Fermion Researchの英語音声認識モデルで、2026年9月28日にHugging Faceで公開されました。NVIDIAのParakeet TDT 0.6B v3を圧縮した版です。量子化を考慮した学習により、エンコーダーの各重みを学習済みの5段階のいずれか、約2.1ビットで保存し、ダウンロードは2,508MBから164MBに減っています。
Apple Silicon上のMLX、Core ML版によるNeural Engine、LinuxとWindowsのCPU、Docker経由のNVIDIA GPU、ネイティブライブラリによるAndroid arm64で動きます。Apple Silicon搭載Mac向けの、Fermionによる無料のオンデバイス音声入力アプリDettaの中身もこのモデルです。
重みはParakeetのCC-BY-4.0ライセンスを引き継いでおり、帰属表示をすれば商用利用できます。FermionのコマンドラインツールとコードはApache 2.0です。
Phonon-2の料金は?
| プラン | 価格 | 内容 |
|---|---|---|
| Weights | Free | CC-BY-4.0、帰属表示が必要 |
| Detta (Mac) | Free | Apple Silicon、macOS 26.2以降 |
重みはCC-BY-4.0で無料、CLIとコードはApache 2.0、DettaアプリはApple Silicon搭載Macで無料です。
Phonon-2は使う価値があるか?
Phonon-2の成果は新しいモデルではなく圧縮で、その数値はよく持ちこたえています。Open ASR Leaderboardの英語7セット全体で、平均単語誤り率は5.21%です。元になったフルサイズのParakeetは4.96%で、ファイルを15分の1にして失ったのは0.25ポイントです。サイズの近いMoondreamのParakeet Redux(178MB、5.69%)やWhisper large-v3-turbo(1,618MB、6.58% )を上回り、議会演説(VoxPopuli、2.46対3.19)では元モデルにも勝っています。
これらの数値はFermionによるものですが、リーダーボード自身のコードで全テストセットを使って算出されており、リーダーボードの数値と明記された比較行は検証できます。悪化が集中するのは、強い量子化から予想されるところです。決算説明会の音声(6.96対5.85)とLibriSpeech other(3.92対3.13)という、難しく雑音の多いセットです。
速度が注目すべき2つ目の理由です。Fermionの報告では、M5 MacBook Airで1時間の音声を約20秒で処理し(実時間の174倍)、Zen 5の8コアで143倍、H100 1枚で128件ずつのバッチ処理なら6,680倍です。この水準のCPUスループットなら、ノートPCや小さなクラウドインスタンスでGPUなしに文字起こしができます。
制約はParakeetのものに1つ加わります。英語のみで、句読点と大文字小文字の表記ルールはNVIDIAから引き継ぎ、話者ラベルはなく、ダウンロードサイズは実行時のメモリ量ではありません。エンジンが読み込み時に重みを展開するためです。Fermionは拠点を公表していない小さな会社です。多言語や話者分離が必要な作業ならNemotron 3.5 Transcribeのほうが良いモデルです。アプリに同梱する164MBの英語モデルとしては、900MB未満で最も正確なオープンモデルだというFermionの主張は、同社が公開するどの比較行とも整合します。
真価を発揮する場面
メモアプリを作るiOSとmacOSの開発者
クラウドの費用をかけずに、オフラインの英語音声入力を加える
Neural Engine向けのCore ML版を同梱します。164MBのモデルは通常のアプリのダウンロードに収まり、文字起こしがデバイスの外に出ないので、プライバシーポリシーも簡単になります。
ポッドキャストホスティング企業のバックエンドエンジニア
GPUなしで、月5,000時間の英語のエピソードを文字起こしする
16 vCPUで実時間の143倍なら、1インスタンスで1時間に約143時間分の音声を処理できます。CPU版のDockerイメージで、月におよそ35インスタンス時間あれば処理しきれます。
フィールドサービス向けソフトウェア企業のAndroid開発者
電波がない場所でも技術者が作業メモを音声入力できるようにする
FermionはAPI 26以上向けのarm64-v8a CPUエンジンライブラリをCのヘッダー付きで公開しています。デスクトップでは--jsonで単語のタイミングが返り、CC-BYライセンスが求めるのは帰属表示だけです。
導入前に確認すること
- 導入
- Apple Silicon(Python 3.10以降)ではpip install fermion-researchとmlxパッケージを入れ、phonon transcribe recording.wavを実行します。CPU版かCUDA版のイメージでdocker runを1回実行する方法もあります。
- 連携
- MLX、Core ML(Neural Engine)、LinuxとWindowsのCPUエンジン、CUDA版Dockerイメージ、Androidのネイティブライブラリ、Fermionが文書化しているローカルサーバー、MacアプリDettaに対応しています。
- データとプライバシー
- すべて自分のハードウェア上で動き、Fermionには何も送られません。重みはNVIDIAの元モデルと同じCC-BY-4.0で、変更点を記したNOTICEが付きます。コードはApache 2.0です。
- 大規模利用時のコスト
- GPUは不要で、Zen 5の8コアで実時間の約143倍です。H100 1枚で128件ずつのバッチ処理なら、Fermionの報告では実時間の6,680倍、1分あたり約111時間分の音声です。
- 制限
- 英語のみです。出力の表記ルールはParakeetのものです。話者分離はありません。読み込み時に重みが展開されるため、実行時のメモリは164MBのダウンロードより大きくなります。
良い点
- 164MBのダウンロードで英語の平均WERは5.21%。2.5GBの元モデルは4.96%
- M5 MacBook Airで実時間の174倍、CPU 8コアで143倍
- MLX、Core ML、LinuxとWindowsのCPU、CUDA、Androidで動作
- CC-BY-4.0で、帰属表示をすれば商用利用可
気になる点
- 英語のみ
- 決算説明会の音声では元モデルよりWERが約1ポイント悪化
- 話者ラベルも翻訳もなし
- 精度と速度の数値はFermion自身によるもの
おすすめの人
数GBのモデルを配布せずに、ノートPC、スマートフォン、CPUサーバーで正確な英語の音声認識を必要とするアプリ開発者。
Phonon-2の代替
Phonon-2:よくある質問
- Phonon-2は使う価値があるか?
- Phonon-2は、15分の1のサイズでほぼ同じ精度のParakeetで、質の高い英語の文字起こしをアプリのダウンロードに収められるようにします。 評価は5点満点中4.1点です。
- Phonon-2の料金は?
- 重みはCC-BY-4.0で無料、CLIとコードはApache 2.0、DettaアプリはApple Silicon搭載Macで無料です。
- Phonon-2の欠点は?
- 英語のみ; 決算説明会の音声では元モデルよりWERが約1ポイント悪化; 話者ラベルも翻訳もなし; 精度と速度の数値はFermion自 身によるもの.
- Phonon-2は誰に向いているか?
- 数GBのモデルを配布せずに、ノートPC、スマートフォン、CPUサーバーで正確な英語の音声認識を必要とするアプリ開発者。
- チームや本番環境でPhonon-2を使うと費用はいくらか?
- GPUは不要で、Zen 5の8コアで実時間の約143倍です。H100 1枚で128件ずつのバッチ処理なら、Fermionの報告では実時間の6,680倍、1分あたり約111時間分の音声です。
- Phonon-2は企業データを扱っても安全か?
- すべて自分のハードウェア上で動き、Fermionには何も送られません。重みはNVIDIAの元モデルと同じCC-BY-4.0で、変更点を記したNOTICEが付きます。コードはApache 2.0です。
- Phonon-2の代わりになるものは?
- 当サイトでレビューした中で最も近い代替はParakeet TDT 0.6B v3, Whisper large-v3-turbo 、 NVIDIA Nemotron 3.5 Transcribeです。
回答確認日:2026年10月31日